みなさんマダニってご存知でしょうか?
最近ではマダニ感染症などよく耳にしますよね。
このマダニ感染症、実は時には死に至る怖い病気です。
肌の露出が多くなる暖かい季節は特に注意が必要です。
そこで今回はこのマダニ感染症についてまとめてみましたので、
参考にしてみて下さい。
マダニ感染症とは?
マダニ感染症とは重症熱性血小板減少症という名称の感染症で、
SFTSとういウイルスを持っているマダニに刺されることによって、体内に入り込み感染してしまいます。
感染してしまうと、1週間ほどの潜伏期間を経て発熱や嘔吐、下痢、筋肉痛や意識障害などの症状があらわれます。
病名の通り、血を固める働きをする血小板や白血球の数が減少してしまう特徴を持ちます。人間が感染してしまうと、極めて高い確率で死亡してしまう恐ろしい病気です。
また治療薬が無いため、回復は感染者の自然治癒力に任せる形になってしまいます。
そのことから、高齢者の死亡率が大変高くなります。
またマダニ感染症として日本紅斑熱という病気も恐れられています。
この病気はマダニに寄生している細菌リケッチア・ジャポニカが体内に入りこむことで発症すると言われています。
2日~8日間の潜伏期間を経て、発熱、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛といった症状があらわれます。
この病気には治療薬がありますが、対処が遅れると、全身の血管内で血液が固まってしまい多臓器不全を引き起こします。
最悪の場合は死に至ることもあるようです。その他にも、マダニに刺されることで感染する病気には、ライム病、回帰熱などもあります。
マダニ感染症は猫にも感染する?感染した猫は大丈夫?猫から人間にうつる!?
近年、マダニの分布域が広がっている可能性があり、人間はもちろんのことペットや野生動物への感染も増えているようです。
ネコもマダニに噛まれることでマダニ症を発症します。
マダニは一生のうち、1~3種類の宿主に寄生すると言われ、血を吸って栄養を補給します。
マダニに食い破られた皮膚の表面では破損した皮膚の細胞とマダニから分泌された唾液成分によって免疫反応が起こり、痛みやかゆみが生じます。
また、体内に保有した様々な病原体を宿主の体内に送り込むため、重大な感染症を引き起こすこともあるようです。
もしマダニが猫にかみついているのを発見した場合、数匹程度であればピンセットで引きぬきます。
この際身体をつぶしてしまうと体内に保有している病原菌から感染症を引き起こす可能性があるので慎重に行います。
引き抜いたのち、口の先端が傷口に残ってしまった場合は速やかに病院で受診するようにします。
もし、猫を室内と屋外隔たり無く放し飼いしている場合は特にマダニの寄生には注意が必要です。
体に垂らすタイプの「ノミ・マダニ駆除剤」等などで対策をしておくと、
マダニを寄せ付けないといった効果はそれほど期待出来ませんが、
噛みつかれた時に駆除効果があるのと繁殖を予防してくれます。
もし感染した猫は放置せず、抗生物質の投与などで治療することをお勧めします。
2016年の夏ごろには、野良猫に噛まれて感染したとみられる50代の女性が、マダニが媒介するウイルス性の病気、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で死亡が確認されています。
このことで、初めて哺乳類からヒトへの感染が確認されました。
マダニ感染症の予防法は?
人がマダニ感染症の予防するにあたって、ワクチンなどはありません。
予防するとなると、噛まれないようにすることが大事です。
マダニは、シカや野ウサギなどの野生動物が出没する環境や、民家の裏山、畑、あぜ道などに多く生息しています。
このような場所へ出かける時は長袖長ズボンで肌を露出しないようにします。
休憩時でも地面に敷物を敷いて直接座ることは極力避けた方がよいでしょう。
また脱いだ衣類やタオルなども不用意に地面や草の上に置かないようにし、帰宅後もすぐに入浴して着替えることが大事です。
万が一の山に行った後に発熱などの症状が出た場合、すぐに病院で受診することをお勧めします。
また忌避剤を衣類にスプレーしていくことでマダニの付着を減少させることが出来ます。
有効成分の濃度によって効力持続時間は様々で、1~3時間程度の効き目のものであれば、幼児の衣類にも使用することが出来ます。
6時間効力のあるものは有効成分が高濃度であるため12歳未満は使用禁止となっています。
これらも併せて使用しながらマダニ対策を万全にしてほしいと思います。
マダニ感染症の治療法は?
肌にマダニがついているのを見つけたら、24時間以内であればピンセットで取り除くことが出来ます。
ピンセットで皮膚の近いところからはさんで、垂直に抜きます。
処置後、黒いとげのようなものやマダニの体の一部が残っていたならば、皮膚科や外科の受診をお勧めします。
野山に出かけた後の発熱や下痢、嘔吐等で病院を受診する際は、内科を受診し、必ず日時と野山へ出かけた旨を伝えます。
これらの身体に現れる症状はマダニに噛まれた際に発生するSFTSの症状と大変良く似ていますが、マダニによって発症する、日本紅斑熱やライム病、つつがむし病等の細菌感染症であれば、抗菌薬で治療することが可能です。
マダニに噛まれてもSFTSを発症することはまれだが、万が一SFTSだった場合、治療薬は今現時点ではなく、ワクチンの研究が進められているところです。
インフルエンザのように飛沫感染ではなく、マダニに噛まれなければ発症はしないため、マダニが活発になる春から秋にかけて十分注意する必要があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ご自身が山や畑など自然の環境に出かける時は、
なるべく肌を露出しない服装を心がけましょう。
飼っている犬や猫などは「ノミ・マダニ駆除剤」を使用するのが望ましいでしょう。
たかが小さな虫と油断すると大変な目にあうことも…
最近では増加傾向にある病気なのでみなさん気をつけて下さいね。