みなさん人食いバクテリアってご存知でしょうか?
何だか物騒な名前ですよね(汗)
これは短期間で体が壊死していくという感染症を指しているのです。
この人食いバクテリア、実は感染者が年々増えてきているんです。
そこでこの病気について感染経路や初期症状についてまとめてみましたので御覧ください。
人食いバクテリアとは!?
2016年は過去最多の492人を数えた「人食いバクテリア」。
しかし、これは通称名であって、医学的には「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」と呼ばれています。
この感染症が見つかったのは1987年のアメリカで、それから欧米やアジアで患者が増えていきました。
日本では、1992年に初めて発見されています。
「人食いバクテリア」の病原菌は「A群溶血性レンサ球菌」という細菌ですが、これは身の回りにある細菌で珍しい菌ではありません。
よく咽頭炎などの病気として知られていて、一般に抗生物質を使用して簡単に回復できます。
しかし、まれに進行が早く重症化してしまうことがあり、この状態のことを「人食いバクテリア」と呼んでいます。
◆人食いバクテリアの症状の特徴は進行が速いということ!
「人食いバクテリア」というのは、すさまじい速さで病状を進行させる特徴がみられます。
短いものですと、たった1日で重篤な症状となるので油断ができません。
風邪の症状に似ているので風邪だと勝手に解釈して放置しておくと、翌日は手足の筋肉が急激に壊死。
こうした壊死に対しても手術を躊躇っていると、臓器が機能しなくなって多臓器不全になることもあります。
手足にある傷口から菌が入り込む可能性が考えられていますが、なぜ症状がこんなに劇的にひどくなるのかは未だ解明されていないのが現状です。
◆どういう人がなりやすいのか?
患者数の多くは高齢者で、60代以上の患者が70%を占めています。
認知症の人、また寝たきりの人、他には免疫力の落ちた人、肝臓を患っている人などはかかりやすいので気をつけましょう。
人食いバクテリアの感染経路は?
「人食いバクテリア」を発症させる「A群溶血性レンサ球菌」は、幅広い年代層で発症します。特に30代以上での発症が目立ち、60代以降の老人に多くなります。
主な感染経路は傷があったりするケース、また飛沫からも移りますし、接触からも移ります。
しかし、実際の臨床では、感染経路が分かっていないという報告もあります。感染経路を、もう少し詳しく見てみましょう。
◆傷口
手足に傷をつけてしまった時に患部を不衛生にして放置していたりすると、レンサ球菌が内部に侵入することが最も多くなります。
足の傷から感染するケースがほとんどで、気付かずに手当てをしなかったり放置していたりすると、色が黒っぽく変質したり、水泡がてきたりして悪化します。
◆飛沫
「人食いバクテリア」に感染している人のセキとかクシャミなどにより、その飛沫が飛び散って感染することもあります。
予防としてはマスクをすること。
◆接触
「人食いバクテリア」に感染した人を看病したりすることにより、感染するケースもあります。
特に指先は患部を触ることもありますから、充分手洗いに気をつける必要があるでしょう。
「人食いバクテリア」」による感染症は、昔からあるものの流行するほどの感染症ではありませんでした。
実際、人から人への感染というのは極めて低いため、最近の爆発的発症は単に認知度が上がったためではないかとも考えられます。
以前にはこの感染症に関する情報が少なかったため、原因不明の病気として処理されてきたのかもしれません。
今までは症例を確認しても保健所に報告されることが少なかったのですが、届け出の重要性が高まったため症例の報告数も増えてきたのでしょう。
予防策としてはうがいや手洗いの徹底、マスクの着用、怪我などをした場合、傷口の消毒の徹底などが大切でしょう。
風邪予防と同じような対処法のように「人食いバクテリア」感染症を予防しましょう。
人食いバクテリアの初期症状とは?
人食いバクテリアは「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」といって「溶血性レンサ球菌」という細菌に感染することで引き起こされます。
この細菌は主に子どもに感染して喉に炎症を起こすことで知られていますが、特別怖い菌ではないのです。
ただ、例外的に劇症化した「人食いバクテリア」は、短い時間に症状が進行してしまいます。
多くは傷口から感染し、それを早い時間に処置しないと全身にその毒が回っていってしまうのです。
発症は足から始まることが多いといわれています。
◆発症は足から始まることが多い!
足の傷から、症状が出ることがほとんどともいわれます。
転んで足に傷を作った人が、骨も折れていないのに発熱して足が腫れてきたりという事例もあります。
足のケアは放置されがち。
それが足からの感染が多くなっている理由だと推測されています。
発熱した時は症状が進んでいる状態なので、傷ができた時はすぐに消毒することが肝要でしょう。
皮膚が傷つき、その傷が赤くなってそれに気付かないでいると、黒ずんできてやがて水泡ができたりします。
初期の段階で「人食いバクテリア」と診断して適切な処置をすれば、現在では「人食いバクテリア」には、ペニシリンが有効とする治療法は確立しています。
治療が少しでも遅れると手足を切断しなければならなくなったり、最悪の場合は命を落とすことも稀ではありません。
特に高齢の寝たきりの方や認知症の方は、足のケアに目が行き届かない可能性がありますので気をつけたいのです。
◆人食いバクテリアの初期症状は?
・皮膚の腫れ
・のどの痛み
・だるさ
・発熱
・手足などの患部に強い痛み
・傷が黒や赤紫などに変化
・傷の水ぶくれ
などがあります。
風邪に似た症状ですが、傷が悪化していないか充分チェックして、できるだけ早く発症に気づいて病院にかかり適切な治療を受けましょう。
「人食いバクテリア」については致死率がの高い感染症ですから、時間との勝負と認識して早め早めに対応してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
まだまだ一般的な病気ではありませんので、そこまで神経質になる必要はないかもしれません。
ただやはり何の病気でもそうですが、何だかおかしいな?
と感じた時は病院で受診してもらうことが重要です。
それから手洗いやうがい、身の回りを清潔にすることや正しい生活習慣は、様々な病気に対する有効な予防方法だと思います。
体の免疫力を高める意味でも規則正しい生活を送りましょう。