みなさんお正月に頂くおせち料理は好きですか。
私は大好きです!これがないとお正月という気持ちになりせんね。
そんなお節料理ですが今回はなぜお節料理には重箱を使うのか?
おせちといえば料理も内容も定番の物もありますが、
そういった各料理にも由来や意味があるのでしょうか。
一覧にしてみましたのでご覧ください。
おせち料理の由来で重箱を使う意味とは?
諸説ありますが験担ぎの意味では「幸せや、めでたい出来事が重なりますように」という意味が込められているという説が一般的です。
実用的な意味では、もともとおせち料理は家庭の台所を預かる主婦が「元旦から2~3日は料理から解放されてゆっくり過ごしたい」という想いがあって、
元旦前に日持ちのするお節料理を作り正月は料理から離れのんびり過ごすという意味合いも兼ねていました。
現在であれば2~3日間、食材の乾燥やほこりが入るのを防ぐのにはラップを掛けるのが一般的ですが、
ラップなどなかった時代はふたをかぶせるしかなく、各食器に盛り分けた後ふたをかぶせると、
広い保存場所が必要になってしまうので「上の段がそのままふたになる重箱なら乾燥防止とほこりなどが入ることを防ぎ、重ねることで場所も取らない」という理由で使われていた面もあるそうです。
また入れる料理も段によって決まりがあり、一の重(一番上の段)には「祝い肴」と呼ばれるものが入れられます。
「肴」の字のごとく正月を祝うために飲むお酒のおつまみになりそうな「煮豆、ごまめ、数の子、ごぼうのきんぴら」などが入ります。
二の重に「口取り」と呼ばれる甘くて子供も好んで食べられる「伊達巻き、きんとん、昆布巻き、紅白かまぼこ」などが入れられます。
三の重には「焼き物」とこちらも字のごとく、縁起の良いブリ、鯛、海老などの焼いた海の幸が入ることが多いです。
与の重には「煮物」と呼ばれ人参、レンコン、こんにゃく、里芋などを使った煮しめの他、紅白なますなどの酢の物も含めた山の幸が入れられます。
ちなみに「四の重」ではなく「与の重」と四の字を使わないのは「四=死」を連想させるためそれを避ける意味合いがあったようです。
普通おせちのお重は四段までが一般的なのですが「五の重」を添える風習もあり、「これからの幸せがたくさん入ってきますように」と願いを込め「カラの五段目」を使う地方もあるそうです。
必ずしも四段、五段にする必要はなく、三段重ねのお重などの場合は一段目と二段目の品目を一つにまとめ、二段目に海の幸、三段目に山の幸を詰めたりなどしていました。
おせち料理の由来で各料理や具材ごとの意味の一覧
一の重から順番に解説してみたいと思います。
◆主に一の重に入っている料理や具材(祝い肴、おつまみ)
・田作り(ごまめ)
カタクチイワシの干物を甘辛く煮付けた料理です。
その名の由来は諸説ありますが「カタクチイワシを田んぼの肥料にしていたから田作り」という説が一般的です。
またごまめも同じような由来があり、イワシを肥料にして田んぼを作ったら五万もの米が取れる程豊作だったのでそこから「五万米(ごまんまい>ごまめ)」と呼ばれているそうです。
・数の子
ニシンの卵ですが「ニシン>二親(にしん)」から「一杯の卵(子供)」ということで「子宝に恵まれる」という意味合いを持っています。
これは知っていた人も多いのではないでしょうか?
・黒豆
「まめに働けますように」との願いから、また地方によってはしわしわになるまで煮詰め「しわしわになるくらい長生きできますように」との願いが込められることもあるそうです。
・ごぼうのきんぴら、たたきごぼう
「ごぼうのようにしっかりと根を深めて、その家が代々続きますように」という縁起を担いでいます。
◆主に二の重に入っている料理や具材(口取り、甘いもの)
・きんとん
一般的には栗きんとんが入っていますが豆などを用いる場合もあります。
栗の場合は「勝ち栗」という言葉がありそこから縁起を担いでいたようです。
また漢字では「金団」と書き「金の布団」と大きな財を象徴する意味合いがあり、きんとんの色である「黄色」も風水などから「財を招く色」とされているので縁起の良い色とされていました。
・昆布巻き
洒落で「よろこぶ>よろ昆布」という語呂合わせで入れられています。
こんな感じで結構語呂合わせの食材が入っているのもおせち料理の特徴です。
・伊達巻き
卵(子供)から作られ、その伊達(=派手)という名前の豪華さから「めでたさの象徴」となり入れられるようになりました。
・紅白かまぼこ
紅白は昔も現在もお祝いには欠かせない色で、紅白かまぼこはおせち料理の定番でもあります。
赤は魔除けの意味合い、白は色のないことから清浄さを意味し、お祝い向きの色とされていたようです。
◆主に三の重に入っている料理や具材(焼き物、海の幸)
・海老
長いヒゲがあって体が曲がっていることから「ヒゲが長くなり腰が曲がっても元気でいられる」という長寿の象徴ともされていました。
前述の通り赤い色は魔除けの意味もあったので海老は非常に縁起の良い食べ物でした。
・ブリ
その成長度合いから名前が変わるので「出世魚」と呼ばれこれも縁起の良い魚でした。
・鯛
お目出度い席には欠かせぬ食材ですが「めでたい>めで鯛」という洒落について詳しく語るのは野暮ってものでしょうね?
◆主に与の重に入っている料理や具材(煮物、山の幸)
・紅白なます(人参と大根の酢のもの)
これもかまぼこ同様、人参と大根の紅白の色合いからめでたさの象徴とされています。
・れんこん
穴が空いていることから「先を見通せますように」という意味を持っています。
・里芋
大きな葉っぱの下にいくつもの子芋がつく様子から「健康な両親から子がたくさん生まれますように」という意味があります。
・こんにゃく
そのままの形で入れられることはなく、真ん中に切れ目を入れて結び目のようにかたどったものを入れるのが一般的です。
その形から手綱や結びを意味し「駿馬(武士などが戦場で勝てるように足の速い馬)」や「縁結び」などの験を担いでいたようです。
こんな感じでおせちを入れる重箱や、各料理ごとに願掛けがそれぞれあるほかにも、正月の初夢「一富士二鷹三茄子、四扇五煙草六座頭」や初詣のおみくじや破魔矢など、
当時から現在まで、日本人が年の節目(節句やおせち)に験を担いでいるのがよく分かるエピソードですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
元旦に頂くお節料理にはこういった意味が込められていたんですね。
誰でも縁起の良いものは好きだと思うのですが、
これって実はとても大事なことだと思います。
良いイメージをすること、気持ちが前を向くこと、
こういった気持ちは現実世界と必ずどこかでリンクすると思うんです。
要は気持ちが前を向いていると現実も前に向かって物事が進んで行くものではないでしょうか?
おいしいおせち料理を食べて新しい一年の良いスタートを切りましょう!